奈良県五條市は、金剛山地の裏側・紀伊山地の入口にあり、古くから紀州街道が通じていることから交通の要衝でした。歴史の町・五條市には栄山寺の国宝「八角堂」や「梵鐘」、維新の魁「天誅組」ゆかりの史跡などがあります。天誅組は幕府が直接管轄していた五條代官所を襲撃し、代官ら5人を斬首しました。その後、五條代官所の近くの「櫻井寺」を本陣として「五條御政府」を設置し、幕府による統治排除を宣言しました。これは、尊王攘夷派として一番最初の武装蜂起であり、明治維新の先駆けとなる歴史的なものでした。話は変わりますが、重要伝統的建造物群保存地区に登録されている五條新町が生まれたのは、今から約400年前、関ヶ原の戦いの後、江戸幕府が成立した直後までさかのぼります。慶長13(1608)年に、城作りや町づくりに秀でた松倉重政が城下町として建設したのが五條新町の町並みです。歴史と共に発展した新町には、様々な年代に代表される建築様式が残されています。建築年代がわかる民家では日本最古とされる、江戸初期に建てられた栗山家住宅をはじめとし、その歴史的景観は国内でも有数の貴重なものです。 のんびりとした時間の中、歴史に想いを馳せてみてはいかがですか?