日本屈指の桜名所、吉野山は、可憐な山桜が下から上へと順に見ごろを迎え、約3万本の桜が山全体を埋め尽くし、幽玄かつ荘厳な情景を4月下旬まで楽しめます。金峯山寺の寺内町として信仰を集めてきた吉野山では、数々の歌人たちが歌を残しました。兄の源頼朝に追われた義経と共に山に入った静御前の詩、南朝を開き晩年を吉野で過ごした後醍醐天皇の詩の他、歌人である西行法師の詩などが知られています。西行は鳥羽院に仕えていた武士で、23才で出家して全国を旅し、晩年を吉野山で過ごしました。西行が詠んだ詩は百人一首や新古今和歌集などに多く残されています。周辺の道はとても狭く、急な山坂もあるため、車での走行は控え、奥千本行のバス等をご利用ください。また、観桜期は車両規制があります(民間駐車場が開設されるため、そちらに駐車することをおすすめします)。ホームページ等でご確認のうえ、お出かけください。ゆっくりと歴史ロマンに浸りながら、歌人たちが愛した風景をご堪能ください。